第32回「佐賀地区看護師卒後研修会」
第32回「佐賀地区看護師卒後研修会」が平成27年10月17日(土)に本校講堂に於いて開催されました。この研修会は佐賀市医師会の主催で「地域医療の向上は看護の質の向上である」との認識から、時代をリードする講師を招いて毎年開催しています。今回は「シネマから学ぶ思考パターンとコミュニケーションの方法」と題してヒルサイドクリニック精神科医 荒田智史先生をお迎えしご講演頂きました。当日は県内の保健・医療・福祉施設の従事者109名本校専門課程学生91名が聴講しました。以下、参加した学生の感想を紹介します。
今回、卒後研修会の講演を聞き、日頃テレビで見ているドラマの人物を例に、その人物に対するコミュニケーションのコツを客観化・構造化・限界設定という3つの視点から説明してもらい、とてもイメージしやすかった。「気遣いが無い」人をシステム化、つまりこだわりを論理的整合性として捉え、変化に対応することが困難な人タイプの人には文字や絵・イラストにすると良いことや予定告知をすることがコミュニケーションのコツである。また、システム化が高いタイプか共感性が高いタイプかを見分け、適材適所を提供することも大切であると学んだ。「同じ間違いを繰り返す」人の例として知的障害を併せ持つ方を題材とした映画の主人公が挙げられた。本来知能として自己を客観視したり、倫理規範や見通しを立てるメタ認知があるが、知能が低いと他罰的になったり、同じ間違いを繰り返すといった行動をとってしまうこともあるため、具体的な根拠を示したり、できることをさせたり、どこまでさせるのか線引きを決めておくことが大切である。また、人は褒めると言う貯金をして信頼関係を築いてからしっかりと伝えたいことを伝えていくことで相手の自己評価も落ちすぎず、学習効果も高まっていくということも知った。「わがまま」で苦手な人であれば尚更、信頼関係が無ければ何を言っても響きにくいものだと思った。適応障害、うつに関してはレジリエンスを高めることが大切である。マインドフルネスにより自分自身を離れたところから見てナレーションしたり、「○○さんだったらどうするだろう」という発想を持つことで、心を鍛えていくことができることを学んだ。相手とのコミュニケーションのコツ、そして自分自身のレジリエンスを高めるコツをしっかりと頭に入れてさまざまなことを乗り越えていきたい。(専門課程 2年Bクラス O・E)