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第30回「佐賀地区看護師卒後研修会」

第30回「佐賀地区看護師卒後研修会」が平成25年10月19日(土)に本校講堂に於いて開催されました。この研修会は「地域医療の向上は看護の質の向上である」との認識から時代をリードする講師を毎年招いて佐賀市医師会が開催しています。今回は「進化する看護のスキル - 患者さんの心に到達するケア - 」と題して岡山大学大学院保健学研究科 教授 秋元典子 先生をお迎えし、ご講演頂きました。参加者は県内の保健・医療・福祉施設の従事者119名、 本校専門課程学生133名が参加しました。以下、参加した学生の感想を紹介します。

今まで看護師が患者さんに行うケアとして大事なものと考えるのは何か問われたとき、看護師が行うべきケアは、患者さんの心のケアであると思っていました。しかし、今回の講話で秋元先生はそうでないときっぱり否定されました。私達看護師は心のケアを専門とする職業人ではなく、まずは患者さんの身体に直接働きかけて、患者さんの心にも触れることができると断言され、自分の思い込んでいたものが間違いであることに気付きました。また、看護概論で学んだナイチンゲールやヘンダーソンは患者さんの心に入りこむのではなく、患者さんの皮膚の内側に入り込むような表現で患者さんと関わらなくてはいけないということを著しており、もし心に介入するだけのケアであれば、私達は人体の構造と細胞のレベルから学ぶ必要はなく病態も知らなくてもよいかもしれませんが、私達に必要なことは患者さんの身体の中で何が起こっているのかを知り、それが原因で患者さんはなにを考え、感じているのかアセスメントすることが大切なことであり、それが必要な知識・技術・態度により結果として患者さんの心を動かすのであると先生の講話により学ぶことができました。また、ケアリングについても、実際の看護を基に話されました。患者と看護師のやりとりで、患者さんが訴えることからアセスメントを行うのではなく、患者さんが病院に来られた時点で患者さんはどのような気持ちでいるのか、看護師は推察して態度に表わさなければいけないということなどを学び、それは看護師だからできる関わり方で、ケアリングという技術を駆使して患者さんを観察して働きかけ患者さんの力を引き出すことで相互作用を生みだすということでした。今回この講話を聴けたことで、このケアリングという技術を知ることができました。病院実習に行くと、患者さんをアセスメントすることが難しいと感じてしまいますが、学びを得たことで実習や仕事上でも参考にしていきたいと思います。

(専門課程1年Bクラス 青栁知佳)


研修に参加して、まず最初に秋元先生は「看護は心に直接働きかけるのではない」という事を言われました。私は、看護をする上で心のケアはとても大切な事だと思っていたので、「何でだろう?」と思いました。先生は、看護師はまず身体に働きかける疾患や症状を踏まえケアを行い、その中で患者さんとの関係が築け、それが患者さんの心を動かす事につながると言われました。そして看護師は、患者さんの観察、症状の変化、診療の補助もとても大切であるが、その人らしい生活動作への援助、それこそが患者さんが求められている事だと言われました。看護師は病態、症状等を理解した上で、その人のこれまでの生活様式を踏まえたケアを行う事が大切だと言われ、またそれは医師や他の医療従事者には出来ない事だと言われました。改めて、疾患の理解、患者さんの全体像を捉える事、患者さんに合ったケアを考える事など様々なことが求められると思いました。また私はよく、患者さんの立場に立って、共感したという言葉を簡単に使っていました。先生は疾患を抱えた患者さんの気持ちが分かることは到底無理である。しかし患者さんへ心を向け推察をし、類似することは出来ると言われました。そして患者さんと関わっていく時はケアリングの技(共有・共感・肯定・支持・強化・尊重)をベースに、患者さんの言動や表情のアセスメントを行いながら、ケアや関わりを持つ事が大切だと言われました。 今回の研修に参加し、私は今まで、身体面、精神面、社会面を考え患者さんと関わる際、一つひとつがバラバラになってしまっていた事に気付きました。清拭をする際顔色はどうか、皮膚の観察、関節の可動域など観察をする事で精一杯でした。これからは、ケアをする際は患者さんの表情、言動にも注目しアセスメントしながら先生が言われたケアリングの技を意識して関わっていきたいと思いました。また、看護師にしか出来ない、身体と生活の両方に関わるという事を頭に置き、この職業に誇りと責任を持つ事が出来るようになりたいと思いました。疾患、治療、看護の学習の大切さを改めて感じました。そして、知識と技術を磨き、身体的なケアを通して患者さんの心を動かせるような看護師になりたいです。そして一人ひとりの患者さんとの出会いを大切にしていきたいと思いました。

(専門課程1年Bクラス 内田さやか)


「看護は心のケアではありません」秋元先生の一言に耳を疑った。自分の思っていた看護観の視点が全くもって違っていたなんて。心のケアではないという意味が最初は分からなかった。しかし、お話を聞くうちに霧が晴れるように真の看護というものが見えだした。私達が患者さんに接する時、まずその様子から患者さんがどういう状態であるのか、何を必要とされているのかを瞬時に感じ取り、アセスメントしていく。患者さんにとって最適な環境、治療生活を整えていく。まさに患者さんの生きる力を育てる土台作りだと思えた。私達は患者さんの痛み、苦しみ、辛さを同じように分かることはできない。しかし、どのように痛く、苦しく、辛いのかを感じ取り推察することはできる。患者さんの抱える病気、その治療法の知識を持ち、患者さんに合わせた最善の技術を用いて日常生活行動を支援していく。このしっかりとした基盤を基に不安や辛さから、希望や意欲へとつながり、患者さんが一歩ずつ前進できる。その喜びは計り知れないほど大きく、看護者の心も打つ。しかしどうだろう。心のケアだとばかり思っていた自分のこれまでの看護の場面を振り返ると、はっと気付かされた。患者さんの状態を知り、アセスメントし、ケアを通して患者さんとの距離が近づき、たくさんの喜び、自信を頂いてきたこと。まだかけだしの私にもその場面があったのだが、それは決して心に直接働きかけた結果ではなく、慣れない看護の中でも必死に患者さんの状態を知り、おぼつかない技術の中で生 れた。患者さんの心を全て知る、心のケアを行えるほど人の心は簡単ではなく、自分を過信してはいけない。自然な回復の過程をとれば人の心は動く。その過程を支える基盤であり私達にしか行えない看護があることを忘れてはならない。

(専門課程1年Bクラス 外尾典子)


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