戴帽式「記念講演」
戴帽式を迎えるにあたり、毎年式の前に患者の心理の授業の一環として「記念講演」を行っております。今年は「腎友会」の佐藤博通様(佐賀県腎臓病患者連絡協議会 常務理事)より「人工透析患者のつぶやき」のテーマで大変貴重な体験談を講演して頂きました。
患者さんの立場になり、その人に寄り添うことは、改めて難しく、看護をするにあたり永遠の目標であることを知りました。一日の一部を治療のために削り、私生活では塩分量・水分量を気にかけながら過ごされていると知り、精神的な負担は計り知れないと感じました。生の声を聴き、その辛さ過酷さを実感しました。先生は病を受け入れられているように思いましたが、今に至るまで自分との葛藤が繰り返され、一見適応されているように見えても、心の裏では常に病に対する思いが存在することもわかりました。講演を通して、相手のことを常に考える視点を大事にして、実習していきたいと思いました。
(1年Aクラス:MK)
授業で習った透析は聞くだけでも大変そうでしたが、今回直接透析を受けている方からお話を聴くことができ、本当に貴重な体験でした。透析は一生続くと言う言葉が印象に残りました。一日4時間週3回、仕事や用事があっても透析を優先しなければならず、水分や塩分の制限などきちんと自分の健康管理も行い、すごいと思いました。病気に負けず終わりがない人工透析を受け入れ自分と向き合って前進している佐藤先生がとても勇気にあふれていてかっこよかったです。
(1年Aクラス:MY)
病気を受容するまでの苦しみ、一度受容しても日常生活での闘いや苦しみ、周囲への怒りや戸惑いを何度となく繰り返された話を聞き、受容するまでには多くの涙が流され、悔やまれた日々を思うと胸が熱くなりました。佐藤先生が病気を受容できたのは、看護学生の手作りの本や患者さんに向けての情熱だったことを伺い、改めて素晴らしい先輩がいたことに喜びと自分も患者さんに寄り添える人になりたいと思いました。アシスタントとして来られていた佐賀腎臓病協議会の事務局長である縄中さんからは、自宅透析の話を伺いました。13歳から病気と向き合いながら透析患者になるまで自分の自由が少しずつなくなっていく辛さを思いました。一人ひとりの病気との向き合い方や受容までの道のりは人それぞれだと思いますが、私たちは人の生から死までに寄り添う立場であることを自覚し行動したいと思いました。
(1年Bクラス:MU)
若くして働き盛りの時に透析患者となり、その現実を受け入れ、こうして私たちに講演をしている先生の姿に感銘を受けた。病気を受容するきっかけが看護学生であるということに、看護とは単に知識や技術の提供ではないことを痛感させられた。病気はその人の人生を大きくかえてしまったり、身体的・精神的・社会的にダメージを与える。そのような人たちのそばに寄り添い看護を行う私たちの役割は大きい。その人の声に耳を傾け、自分が出来ることを最大限に行っていきたいと思った。
(1年Bクラス:HK)