解剖見学(実習)を終えて ~命の尊さ~
高等課程1年生はAクラスが平成22年6月21日(月)、Bクラスが22日(火)に佐賀大学医学部附属病院にて解剖見学(実習)を行いました。 以下、生徒の感想を紹介します。
普段は学校で座学による講義を受け、教科書やプリントを用いながら勉強していますが、実際に解剖見学をすることで臓器についての知識の幅が広がりました。
しかし、今回の解剖見学で一番学んだ事・・それは「命の尊さ」です。私は解剖見学の途中で極度の緊張により倒れてしまいましたが、介抱してくれたクラスメートや先生の暖かい言葉に安心感を持ち、ピンと張りつめていた緊張がほぐれました。その時に献体についてしばらく考えました。あそこにある献体はどんな最期だったのだろう。こんな風に誰かがそばにいてくれたのかな。あんなに冷たくて寒い場所にいたら寂しいだろうな。いろんな気持ちがでてきました。少し落ち着いた後見学に戻り献体と対面した時、自分の気持ちの変化に気づきました。初めて献体を見たときは、しっかり見てメモをとることに気持ちが向いていましたが、倒れた後に献体を目の前にすると本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。献体者はほとんどが高齢者で、そのお顔を見た時、大好きだった祖母や前の職場で亡くなられた利用者の方達を思い出し、グッとこみあげてくるものがありました。その安らかなお顔からは「頑張って立派な看護師さんになってね」と言われているような気がしてなりませんでした。それからは、献体者に感謝しながら命の重みを感じながら積極的に触ることができました。
確かに看護師は技術や専門的知識も必要なので一生懸命勉強することはすごく大切なことですが、知識・技術と同じくらいの思いやりを持たなければいけないと感じました。それは学校の演習でも実感しています。私が目指している看護師という職業は「命」に携わる大変重みのある仕事です。今日医学の発展があるのは献体者の協力のお陰だと思います。死をもって私に「命の尊さ」を教えてくださいました。そしてより深く医療の世界へと引き込まれていきました。今後は献体者の遺志を無駄にしないよう、少しでも苦しんでいる人たちが安心して看護・医療を受けられるよう努力していきたいと思います。
(1年Aクラス 相川智美)