基礎看護実習IIIを終えて -高等課程1年生-
高等課程1年生は、平成22年12月6日から17日まで基礎看護実習IIIを行いました。今回の実習でも生徒たちは多くのことを学びました。以下、生徒の学びを紹介します。
前回の実習より患者さんとコミュニケーションがとれたように思います。どのように声をかけるか悩む事もありましたが、まず話を聞くようにしました。そのなかで患者さんの気持ちを感じとることができ、見ているだけではわからなかったことを知ることもできました。日常生活は自立された方だったので、退院後の事を考え、自分でできる事はできるだけ自分でしていただくようにしました。清拭では手の届かない背部や下肢を拭かせていただいたり、手浴や足浴をしました。シャワー浴では、転倒しないよう注意を払いましたが、手すりを持つ位置、歩行時状態など高齢者である患者の目線に立って、安全への配慮が必要であると思いました。
(1年Aクラス 末口梨緒)
自分では一生懸命しているつもりでしたが、患者さんの情報を整理できず適切な援助ができていなかったと思います。悩んだり困ったことをカンファレンスで話すと皆から意見や助言をもらい、患者さんに必要な援助とは何かを考えることができました。実習グループ内での話し合いの大切さを感じました。この体験から、私は意思表示をすることが苦手でしたが、今後は自分の課題として取り組みたいと思います。
(1年Aクラス 富永千春)
毎日、患者さんの家族が面会に来られ、私たち学生にもいつも暖かい言葉をかけて頂き凄く励みになりました。とてもありがたく感謝しています。患者さんと一緒に書いた手紙を患者さんの奥様にクリスマスプレゼントとしてお渡しすると「こんなに良いプレゼントは初めて」と涙を流され喜んでいただきました。看護は、患者さんだけでなく家族との関係性を大切にする事を学びました。
(1年Aクラス 古川進也)
実習1日目、リーダーとして皆を引っ張っていく立場だったので、緊張し足がガクガク震えるほどでした。患者さんと初めてお会いした時、にっこり笑われ「宜しくお願いします」と言われた瞬間、緊張が解けました。患者さんの負担にならない実習をしようと心に決めスタートしました。患者さんとリハビリに行き、理学療法士や作業療法士の方に、リハビリの目標や内容をわかりやすく教えて頂きました。患者さんは高齢で見当識低下がみられていたので、ホワイトボードに字を書いてもらい、日時や季節、時間、その日の予定や出来事など毎日記入してもらうようにしました。作業療法士の方に「あなたが実習に来てから患者さんがしっかりされてきています」と言われた時、本当に嬉しく思いました。実習最終日、患者さんに「とても向上心をもっておられ、私の方が勇気づけられました」とお礼を言うと、「いっぱい気を遣ってくれてうれしかった。身体に気をつけ頑張って下さい」と言って頂き、涙が止まりませんでした。学びの深い実習でした。
(1年Bクラス 井手加菜子)
1週目の実習が終わり、患者さんに何が必要でどうなってほしいかという明確な目標やそのためになにをするべきか、どのように進めるべきかなど根拠や具体的な計画がないことに気づいた。2週目は、そのことを念頭におき、患者さん自身がどのように思っているのか傾聴し観察に心がけた。その結果、スムーズに援助を進める事ができたように思う。今後も継続していきたい。また、疾病からくる症状の観察や検査データの把握などまだまだ知識不足であることや自分の意見をまとめ伝えることも不十分であった。課題はたくさんあるが、今後も同じ目標をもった仲間と高め合い成長していきたいと思った。
(1年Bクラス 香月真伎)
今回一番学んだ事は、患者さん主体の援助という事です。清拭をする時の目標を、「身体を清潔にするとともに皮膚の観察を行う」とあげていましたが、指導者から「援助を受ける患者さんにとってはどのような意味があるのか」問われ、自分中心の目標になっていた事を反省しました。「清拭を通して不快感を取り除き爽快感を持っていただく」と考え直すと、室温の調整やお湯の温度、拭くときの力加減など気を配る事がすぐにわかり、患者さんの状態に応じた援助を考えるようになりました。自分の振り返りとしては、人の話を半分聞いて自分勝手に考え行動してしまう事が何度かありました。医療事故を起こす原因になるので、しっかりと相手の話を聞き行動する習慣を身につけ、次の成人実習に臨みたいと思います。
(1年Bクラス 小森洋平)