トップページ ブログ 「看護の日」 -ずっと忘れられない看護がある-

「看護の日」 -ずっと忘れられない看護がある-

フローレンス・ナイチンゲールの誕生日の5月12日は「国際看護師デー」です。日本でも「看護の日」として全国各地で色々な行事が行われています。本校の看護高等課程(准看護科)でも毎年「看護者としての自覚を持ってこれからも学習を続けてほしい」との思いから、カリキュラムの中に「看護と倫理」の授業の一環として「看護の日」を取り入れています。今年は午前中、山下副校長の講義と午後は日本と違うアメリカの医療保険制度を描いた「ジョンQ-最後の決断-」の映画鑑賞を行いました。以下は「看護の日」を迎えた生徒の感想と「ジョンQ」を観た感想を掲載しています。

看護と倫理の講義を受けて

「看護の日」については、街頭のポスターやテレビの報道で存在は知っていたが、看護の日の制定に至るまでの経緯のことは今日初めて知ることができた。国民に広く看護の心について知ってもらうだけでなく、医療現場で働く我々も看護の心とは何かを再考する機会になると思った。看護の心とは「誰かを元気にする力、癒し」「他者を思いやる気持ち、その気持ちが具体化された行動」であり、その根底には倫理がある。人間として倫理に反した行動をとらないことが、医療職を目指す第一歩であると認識できた。一人ひとりの患者さんに対して、一人の人格をもった人間として尊重し、誠意を持って接しなければならないと思った。

(1年Aクラス 石田由美子)

ナイチンゲールは、看護とは何かを明らかにしただけでなく、看護を女性の職業として確立、看護教育の確立、社会改革など多くの業績を残していることを教えていた。自分の事だけでなく、他者を思いやり成し遂げた行動に感動し、ナイチンゲールと同じ職業を目指せる事をとても誇りに思う。今年の「看護の日」のテーマは「ずっと忘れられない看護がある」。看護師と患者さんの関係は病院の中だけだと思っていたが、患者さんのことを思いやり実施した看護は患者さんの心の中に残り、ずっとつながっていくものだと感じた。

(1年Aクラス 岩村周平)


「ジョンQ-最後の決断-」を観て

アメリカの社会情勢を表している映画でした。世の中には、お金がないために医療や看護を受ける事が出来ない人が多くさんいます。医療だけは平等であってほしいと思いました。もし私の子供が重い心臓病にかかり移植しか道がないと言われ、お金もなかったらどうするだろう。子どもの死を受け入れる事はできないだろう。しかし、ただ死を待って生きていくのも嫌です。ジョンは子どもを救うために人を監禁し銃で脅すという倫理的にはいけない行動をとったが、父親としてそうするしかなかったのだと思いました。日本でも医療費の問題など様々な問題がありますが、私たちは平等な看護をしていかなければいけないと思いました。

(1年Aクラス 村岡奈津美)

この映画を観て「命、お金、倫理」について考えさせられました。医療行為に対価を支払う事は必要ですが、医療行為がお金儲けに走ってはいけないと思います。お金がなくて治療が受けられず命を落としてしまうのは残酷すぎます。生ある者、必ず死が訪れますが、救える事の出来る命は救い、その人の人生が全うできるように手を尽くす事が必要だと思います。病院側からすると大勢の患者の中の一人かもしれませんが、家族や友人にとってはかけがえのない「一人」です。そのことを忘れずにいたいと思います。

(1年Aクラス 山口順子)

何が正しくて、何が正しくないのか、はっきりさせるのは難しい。ジョン、その他の登場人物の行動にも個々の倫理観のせめぎ合い、葛藤で揺れ動く様が鋭く描かれ、一人の人間の多面性についても考えさせられた。これから様々な人との出会いが待っていると思うが、人だけでなく物事にも多角的な視点を持って考えるようにしたい。

(1年Bクラス 横尾寿子)

息子の為に自分の命を捨てる覚悟で病院に立てこもったジョンの家族に対する愛の深さに涙を誘われました。私たちが働く場は、ジョンやその家族、ジョンの大切な息子のそばです。苦しみ、弱り、消えゆく命を見つめる場である事をあらためて実感しました。命と向き合い、命を預かる身として、果たして自分は看護できるようになれるのか不安で仕方ありません。これからしっかり学習していきたいと思います。

(1年Bクラス 竹森ゆき)


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久間圭子先生を迎えて

「看護の日」に合わせ、看護高等課程1年生に、フローレンス・ナイチンゲールの「[新訳]看護覚え書」の著者である久間圭子(ひさまけいこ)先生をお迎えし、ナイチンゲールが生きてきた時代背景や業績についてスライドを混じえ講義をしていただきました。

ただ「看護覚え書」を読むのでなく、筆者の生育環境や社会的背景、歴史的背景をも考慮して読むこと、そして自分自身の経験を積み重ねていくことにより本の内容が理解できていくことを実感しました。また、ハーバード夫妻やヴィクトリア女王の存在の大きさも初めて知りました。この方たちの存在なくしては、ナイチンゲールは存在し得なかったと思います。人との出会いによって人生が大きく左右されることを実感しました。講義の中で先生が言われていたように、人格・資質を高め、強い精神力・忍耐力をもって患者さんの身体的ケアを行うこと、身体的ケアを通して心理的ケアを行っていけるようになりたいと思います。先生が翻訳された「看護覚え書」を読んで、“看護とは何か”を感じとり実践に活かすことができればと思います。

(1年Bクラス 古賀麻智子)

今日の授業を受けるまで、「看護覚え書」を読んだ事がなかったが、授業を受けて家で読んでみた。「患者さんの苦痛は、病気のせいではなく看護のせいなのである」という文を読んで、私たちは患者さんの病気を回復させるのではなく、患者さん自身が回復しようとするのをサポートすることが本来の仕事である事を気づかされた。毎日の授業ではなんとなく病気の知識や看護技術など専門的な学習ばかりに興味がいってしまうが、“看護とは何か”ということを改めてしっかり学んでいかなければいけないと思った。

(1年Bクラス 池田香織)

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