平成23年度防災訓練
9月21日(水)Aクラス、22日(木)Bクラスの高等課程・専門課程の学生(445名)が佐賀消防署署員の指導により、本年度の自衛消防訓練を行いました。この訓練は「学生の日頃からの防火意識を高め、もし火災が発生した場合に冷静な対応が出来る心構えを養う」を目的に毎年実施しています。当日は火災発生のアナウンスにより、学生の各役割による初期消火活動や非常持ち出し品の運搬訓練、避難場所へ2階、3階から非常階段や救助袋を使っての避難訓練を行いました。その後、署員の方による防災に対する講話(今回は東日本大震災の救援活動へ参加された話し等)、訓練の講評を頂きました。以下、感想と訓練の模様です。
◇高等課程生徒の感想◇
非常ベルが鳴ってアナウンスが聞こえた時は、教室がざわついていて何と言われているか全くわかりませんでした。皆と一緒に流されるまま外に出ましたが、本当の火事ならアナウンスが聞こえなかった時点で助かる確率も低くなっていたと反省しました。実際はパニックになるので冷静に行動しなくてはいけないと思いました。消火訓練では、私の消火器に対する概念が変わりました。私は消火器は火を消して皆を助けるものだと思っていましたが、あくまでも初期消火のためのものであることがわかりました。
(1年Aクラス:H)
初めて消火器を使い消火活動をしました。どきどきしながらレバーを引き放水することができ、貴重な体験でした。初期消火の手順や119番への通報などビデオを通して理解できました。講話では、煙はまず上昇し横に流れ、その後降りてくるため、鼻と口を濡れたタオルやハンカチで覆い、煙を吸わないように腰を低くして避難するという一連の動きも学ぶことができました。
(1年Aクラス:S)
消防隊長の講話やDVDの映像をみて、日頃から訓練を行い火災時の対応を細かく決めておくことが必要だと思った。非常階段の位置は把握しているが、避難時の集合場所や緊急時の自分の役割は知らないことに気づいた。勤務先の病院でも災害時のマニュアルはあるが誰が避難誘導を行うのかということを知らない。自分の身近で火災は起こらないだろうと思っているからだと思う。講話の中で煙の怖さと避難の難しさが理解できた。実際に病院で火災が発生すれば患者の避難誘導が重要である。災害時の対応や役割を把握しておくようにしたい。
(1年Bクラス:UK)
消防署の方の話を聞いて地震や火災の恐ろしさを感じました。地震は防ぐ事ができないが火災は防ぐことができると思いました。たばこや揚げ物の油、ガスコンロ、ストーブなど普段私たちが使っているものが原因となることを改めて感じたので、注意して使わなければいけないと思いました。病院には高齢者や動けない患者さんが大勢いらっしゃいます。火災が発生したとき、その方々全員を助けるのは難しいといわれました。私たちに出来ることは、火災を起こさない事です。明日職場に行ったら、非常口や消火器の位置、防災マニュアルなどを確認したいと思いました。訓練を受ける前は、他人事だと思っていましたが、訓練を通して看護職としての自覚を持ち、防災意識を高めていきたいと思いました。
(1年Bクラス:U)
初期消火の役割だったので、消火栓の場所や消火器の位置の把握、そして実際に消火栓から放水するまでの手順やホースは二人で持って行う事など沢山の体験をさせて頂きました。消火器を使っての訓練では、大きな声で周囲に火災の発生を知らせることも大切であることが分かりました。このような訓練に真剣に取り組むことが万が一の際、犠牲者を減らせることに繋がると思いました。
(1年Bクラス:K)
「命を守る仕事」、この防災訓練はこの言葉の意味を深く考えるきっかけとなりました。日々病棟で勤務する者としては患者さんの命が私たちに託されています。防災訓練をしながら、自分の家族の事とともに患者さんを守らなければならない責務があることを改めて実感しました。火災発生場所を正しく知り、避難通路を確保し、患者さんを安全に誘導するためにも、日頃から防災意識を高め、緊急連絡の方法、病棟の防火マニュアルなどを正しく知る必要があると思いました。
(1年Bクラス:H)
◇専門課程学生の感想◇
初期対応の4つのプロセスで?確認・覚知 ?通報・連絡 ?初期消火 ?避難(誘導)が大事だということだった。平常化の心理で「まさか」と思うことが逃げ遅れる原因になるので、「もしかして」と思い行動することが大切であると学んだ。
(1年Aクラス:藤田由美)
火災が起きてしまった時、自分がどうすればいいかわかっていないと命の危険に繋がってしまう。病院で火災が起きた時は、避難させる側に立たなければいけないので、消火器、消火栓の使い方や火災時エレベーターを使用しない、煙を吸わないなどの注意点をしっかり覚えておきたい。
(1年Aクラス:藤井仁美)
消防隊の方が火災で亡くなる人は火で亡くなるより、煙の一酸化炭素中毒が多いと言われた。マウスを使った実験のDVDを見て、体が痙攣し動けなくなる様子を見て、煙の怖さがわかった。逃げる時は四つん這いになり、壁側を伝って逃げるということを覚えておこうと思った。
(1年Bクラス:池上麻梨子)
今回の訓練で初期消火の大切さや災害の怖さを学んだ。普段は火事や災害について考えることはないが、日頃から防災意識を持ち、もし起こった時には自分の命も患者さんの命も助けられるよう落ち着いて行動しようと思う。
(1年Bクラス:北島里紗)
消防車が到着するまでに通報から約6分かかり、それまでの初期対応がとても重要なことを学んだ。消火していても火が天井まで来るような時には消火をやめ、避難することが大切だと知った。適切な判断が自分や多くの人の命を助けるポイントになる。火災では一酸化炭素中毒による死者が大半を占めることから、煙の恐ろしさを十分理解し、命を守るための行動がとれるようにしておく必要があると思った。
(2年Aクラス:山田麻紗子)
初期消火や判断を誤れば患者さんの命、自らの命も危険になると思った。火災が起こった時は患者さんの安全第一に、行動していきたい。今、災害に対する皆の意識が高い。この意識を忘れず、突然おこる災害にも対応できるように、看護師として人々の命を助けられるよう学び続けていきたい。
(2年Aクラス:池上藍香)
消防隊員の方が、災害は急に襲ってくる。全ての人を助けようと思っても全ての人を助けられるかどうかわからないと言われた。人の力には限界があるため、今回のように消防訓練を受けている私達1人1人が非常口、消火器の位置を確認し知識を持っていることが大切になると思った。病院では看護師として患者さんの命を守る立場であることをいつも頭に入れ、いつ何があってもいいように準備しておきたい。
(2年Bクラス:古田智美)
3階からの避難袋を使用した訓練を行った。あの高さから避難袋の中を滑り降りるのはとても怖いと思った。でも、実際に体験したことで、どうしたら安全に滑れるのかがわかったのでよかった。滑る人、下で支える人との連携がうまくいかないと別の事故も発生する恐れもあると感じた。訓練をすることによって災害が起こった時に誰かが頑張るのではなく、1人1人が意識を高め協力することで、死者を出さずに避難できると思った。
(2年Bクラス:荒巻 舞)
私は医療施設に勤務しており、患者さんの命を預かっている。火災が起こった際は、自分が焦らず安全な場所へ避難をさせることが重要になってくる。勤務施設でも年に2回訓練を行っており、日々の積み重ねがとても大切なのだと感じた。
(3年Aクラス:井上 綾)
実際の火災ではきっと皆がパニックになり、避難経路が混雑する。正確な情報のもとで動けるには訓練が必要だと感じた。初期対応のビデオでも確認が大切だと話されていた。その際「臭い」や「音」に気がついたとしても「平常化の心理」により気にとめないことがあり、普段の生活の中で無意識に「平常化の心理」が働いて見逃してしまうことがあることに気付いた。知覚したサインを確認することで、大きな災害を防げることを改めてしり、「何か変だな」と感じた時には確認をすることを意識していきたい。
(3年Aクラス:今泉美恵子)
学校での訓練では、指示を出してもらえるが、実際病院で避難訓練する時や火事になったりした時は私達が指示を出し、患者さんを救出しなければならないので、消火器の位置を把握したり、避難場所、避難ルートを確認しておくことが重要だと学んだ。個人の意識を高めることが地震や火事等が起こった時に焦らず冷静に対応できる。1人でも多くの命を助ける為には、普段の訓練を真剣に取り組む必要があると思う。
(3年Bクラス:古賀亜利沙)
消防士の話で、東北大震災の現場の実際を知った。津波警報で速やかに避難した人と少し遅れて避難しようとした人、その数分、数秒で生死が分かれていた。いつ、どこで、どういう状況で何が起こるのかは誰も予測できない。いつでも直ぐに対応できるように日頃からの対策や訓練の重要性を感じた。そしてまた病院(職場)に於いては患者さんを避難誘導し助けるという役割や責任があることを改めて感じた。実際にどういう対策を立てていくか具体的に考え、冷静に対応していきたい。
(3年Bクラス:松本千明)