専門課程3年生「災害看護演習」
専門課程3年生は、本校3階講堂に於いて「災害看護演習」を行いました。以下、当日の演習風景と学生の感想を紹介します。
今回災害看護の授業で被災者体験をし、思っていた以上に床が冷たく、かたく感じたり、授業では狭い空間の中でも周囲はクラスメイトであり安心感がどこかにあった。皆で寄り添って寝たり、人同士のぬくもりを得ることができたが、実際の被災地では、咳一つすることのできないような状態。周りは知らない人であったり、家族と会えず不安がいっぱいで、でも周りに助けを求めることができなかったりと、今回の演習で体験をしたことで、今までメディア・ニュースでの情報で頭で考えることはあったが、体で体験をしたことで現実的なこととして考える機会となった。今回の演習で、私はトリアージタッグ赤をつけた人の救助(搬送)の役割を行い、搬送の方法などを身の周りにあるもので行うように考える力がとても大切だということを学ぶことができた。また、看護というものは、治療ばかりに目を向けるものではなく、周囲との連携や助け合い、協力、心のケアがいかに重要であるのかということを感じる授業となり、とてもよかった。今回感じたことや学びを大切にし、自分の看護力として身に付けていきたいと思う。
(3年Aクラス 緒方未希)
今回演習での私の役割は、ダンボールを用いて避難所をつくるものだった。最初に、ビニールシートだけを床に敷いた状態で寝てみたところ、床が冷たくてとても寝られたものでないと思った。そのため、ダンボールを床に敷いても変わらないだろうと考えていた。しかし、いざダンボールを床に敷き、ダンボールで壁を作って寝てみたところ、「全然冷たくない!!布団ほどではなくても保温性がとても高い!!」と感じた。ダンボール一つでこんなに環境を変えることができるとは思っていなかった。また、演習の内容でトリアージの実践をされていたが、実際の現場において素早く的確に判断し、指示を出さなければならないため、私には到底不可能な役割だと感じた。私の場合、どんな状態においても、緑と黒のタグをつけることができないと思った。もし緑をつけて後に状態が急変してしまったら…もし黒をつけたことで残された家族に悲しい思いをさせてしまったらと考えてしまうからだ。黄色と赤のタグならば、早い段階において治療を行ったり、医療者の目の届く範囲になるため何かあった場合すぐ対応できると考えてしまう。トリアージを行うことができるのは、平等性があり「本当に助かる命を助ける」強い心念を持っている人だけであると考えた。私はまだ、身近で大きな災害を体験したことがなく、想像やテレビから流れてくる映像でしか災害を知ることができていなかったが、医療従事者としていつ災害が起こってもいいように、普段から心の準備をしておかなければならないと考えた。
(3年Aクラス 山中佑希)
今回災害看護の演習で、学校内でのトリアージ「患者、被災者をそれぞれの教室にふるい分けする」という経験をした。紙面上ではあるが、実際の人間、重傷者がそこに居ると考えてケアの必要性の有無や、感染の拡大防止などを配慮して行った。その後に他のグループの発表や先生からのアドバイスを受けて、限られた人の中でケアを行うのでなく、被災者皆で助け合いながら日常ケアを行っていくことも大切であると学んだ。傷病者への実際のトリアージでは、声を出して助けを求める人にとらわれず、本当に緊急性のある患者を敏速に判断することが、その患者の予後を左右するのだと感じた。私達が、看護師として、災害現場で活動する上で必要なことは、被災者の疾病の治療の補助も大切であるが、長期化するであろう避難所生活の中で、健康管理、心のケアを行っていくことが必要であると感じた。また、そうする上で頑張りすぎないこと、自分自身の健康管理も大事であると学ぶことができた。
(3年Bクラス山田美恵子)
今回の災害看護の演習を通して、様々なことを学ぶことができた。グループワークでは、グループ全員で災害発生後の避難所の負傷者や住民の部屋のふり分けを行った。今まで自分達が傷病者や避難している住民の部屋について考えたことはなかった。しかし今回のグループワークで、住民の部屋のふり分けについて考え、どのようなふり分けを行うことで、住民が安全に安心して避難所生活を送られるのか考えさせられた。避難所生活を送るということは、住み慣れた自宅を失い、慣れない環境の中で他者と共同で生活をするということである。私達は看護の視点で、傷病者、介護の必要な者、感染者、妊産婦と部屋のふり分けを行っていった。しかし、教員より「家族が一緒に暮らせるような配慮も必要」との話を聞き、改めて対象は尊い人間であることに気づかされた。そのように、対象は尊い人間であることも念頭においた上で、身体的な安全のみでなく、心のケアを行っていくことも大切であると学ぶことができた。またトリアージでは、黄色の傷病者のトリアージを行ったが、短い時間でスタート法を行い、トリアージしていくことの難しさを学ぶことができた。私は黄色の傷病者のトリアージであり、傷病者は大腿の開放骨折であったため、毛布を使用した。しかし、3人では毛布を使用しても傷病者を運ぶことは難しく、他者の応援が必要であった。緊急時に傷病者また救助者の安全を確保し迅速に救命を行っていくためには、チームで役割分担を行い協力していくことが大切だと学ぶことができた。そのためには日頃より、災害看護についてもっと学んでいくことが必要であると思った。今回の災害看護の演習で学んだことを、今後に活かしていきたいと思う。
(3年Bクラス 山本真由美)